こんにちは、やつお(@yatsu_o)です。
今回は、坂本健著『実践!ロジカルシンキング研修 日々の仕事の精度を高めるために』を読んだ感想です。
前々からロジカルシンキングには興味があり、学びたいと思っていたところ、前回感想を書いた『実践!タイムマネジメント研修』と同じシリーズにロジカルシンキング研修があることを知り、すぐに手にとりました。
なぜなら、タイムマネジメント研修も一気に読んでしまうほど面白かったからです。
そしてやはりロジカルシンキング研修も、本来は難しいと感じるはずなのに読ませ方がうまい(ストーリーや登場キャラクターとの会話などがおもしろい)ため、内容とは裏腹にスラスラと読めてしまう不思議な本でした。
ただ、私にとっては本の内容自体は濃いため、「もう一度読み返さなければいけないな」と考えています。
というわけで、私もまだ100%吸収できたわけではありせん。
そこで自分のなかで比較的説明しやすい部分を3つだけピックアップして書いていきます。
この記事を読むことで、以下のことがわかります。
- ロジカルシンキングをするうえで知っておきたい『スキーマ』とは
- 『コンテクスト』とは
- 難しいことは簡単にする
『実践!ロジカルシンキング研修』を読んだ感想
ロジカルシンキングをするうえで知っておきたい『スキーマ』とは
スキーマとは、思考の枠組みのことを指します。
どういうことかというと、私たちは過去の経験則からの『思い込み』によって物事を解釈しようとします。
なので、無意識に過ごしていると自分の思い込みによる解釈をしてしまうため、考え方が偏ってしまうんです。
これにより、スキーマというあなた独自のフィルターを通ることでスキーマに合うことだけを重視し、合わないことは軽視したり無視したりするようになってしまいます。
なので、まずは自分がスキーマで情報を理解・認識しているということを自覚しておくことが大切なんですね。
ようするに私たちは放っておくと、経験だけをもとに薄っぺらな根拠で決めつけてしまうので、その他の可能性から考え方から目をそらしてしまうという特徴を持っているというわけです。
そして、ロジカルシンキングというのは『スキーマの弊害に陥らないように正しい情報を根拠として偏りのない客観的な思考プロセスで結論を導いていくための知識やスキル』なんです。
『コンテクスト』とは
コンテクストというのは『コンテンツを理解・解釈する過程で付加される背景』のことをいいます。
たとえば、「タコとイカの絵を描いて」と書いてあったら、あなたはどんな絵を描きますか?
ほとんどの人が魚介類のタコとイカを描くと思います。
でも、よくよく考えると空にあげる『凧』や『医科』だってあるんです。
このようにタコとイカとカタカナで書かれると脳が反射的に判断してしまいます。
言葉の組み合わせや配列が考慮されて大きな影響力を及ぼしているからです。
人生のなかで蓄積してきた経験や知識もコンテクストとして働きます。
このコンテクストの度合いが高ければ高いほど『ハイコンテクスト』といい、実は私たちが生活しているうえではこの『ハイコンテクスト』が多用されているんです。
これが仕事上では弊害になることが多いため、基本的にはコンテクストの度合いが低い『ローコンテクスト』な情報(数字や映像など5W2Hが具体的にわかり情報の解釈・理解が一致するような情報)でやりとりすることが重要となります。
ロジカルシンキングをしていくうえでも、ハイコンテクストなままでは難しいので、基本的にはローコンテクストで考えていくことになります。
難しいことは簡単にする
私たちは、つい難しいことをそのまま考えようとしてしまいます。
たとえば『顧客満足』という大きなテーマのまま解決しようとしてしまうことがあります。
しかし、『顧客満足』という言葉の中にはいくつもの要素が混在しているわけです。
このまま解決しようとすると、必ずと言っていいほど以下のようなことに陥ります。
- 異なる要素を一発で解決できるような完璧な答えを探し、欲張った結果議論がまとまらない
- 異なる要素が混在しているため、無駄な対立がおこり疲弊する
なので、要素を分けて考えることが重要となります。
ロジカルシンキング研修のなかでは、電機メーカーで顧客満足を高めるためにはどうすればいいのかというような例が挙げられていました。
白物家電やスマホなど実に幅広い商品を扱っている会社です。
『顧客満足』といっても『法人』と『個人』ではまったく求めるものが違っているのでまとまるはずがありません。
そこで『法人客の満足度』『個人客の満足度』というように分けて、さらに分岐をしていくことで、ひとつずつの項目にある要素を少なくしていきます。
すると、あるとき答えが見つかりやすくなるんです。
この例では、分岐のさいごは『商品の満足度』と『サービスの満足度』になりました。
ちなみに、分岐していくと見た目が『木』のようなになることから、このように分岐した図は『ロジックツリー』と呼ばれています。
なお、この電機メーカーではこの方法を知り、いままで長期間にわたり解決しかなった問題があっさりと解決したということです。
あとがき
この『実践!~』シリーズは、ほんとにおもしろいと思います!
それなりにページ数もあるのに、おもしろいからスラスラ読めるところがすごいです。
私が予想していたとおり、前回読んだ『タイムマネジメント研修』にも出てきた登場人物も研修に参加していて、そのキャラクター達に親近感すら覚えてしまいましたw
(『タイムマネジメント研修』の主人公と同じチームにいた人物が今回の主人公です。ちなみに前回の主人公もこの研修に参加しています。)
永遠にいろんな研修を受けていたいといえば大袈裟すぎるかもしれませんが、まさにそんな感じです。
そして、本書のなかではロジカルシンキングのほかにも、とても使える技術が書かれていました。
それは『時系列』です。
おこなったことを時系列にして書き出していくと『成功の原因分析』ができます。
私たちは失敗したときには原因分析をすることは多いのですが、不思議と成功したときの原因分析は疎かにしがちです。
これは私自身もそうだな~と痛感しました。
たとえば営業で契約がとれたときには、「よかった~」という安心感から気が抜けていたのか、とくに「なぜ契約がとれたのか」などという分析はしてきませんでした。
というわけで、よくよく考えると「なぜ成功したのか」というノウハウをしっかり蓄積していかないとめちゃくちゃ勿体ないことに気づかせてくれた本でもありました。
どうやら次に読む予定の『実践!チームマネジメント研修』にも、ここらへんの話が出てくるようなので期待しているところです。
このシリーズは1冊たったの299円です。
いままではKindle Unlimitedで読んでいましたが、何度も読み返して自分に染み込ませたいと思いました。
そこで、仮にKindle Unlimitedを解約しても読めるよう、このシリーズは購入することにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
以上、「『実践!ロジカルシンキング研修』を読んだ感想」でした。
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