顎関節症の原因とは?セルフチェックや治療方法なども解説。

こんにちは、やつお(@yatsu_o)です。

あなたは、顎関節症(がくかんせつしょう)というものをご存知ですか?

顎関節症は、日本人の2人にひとりが経験するという『あごの関節』と『筋肉』の病気です。

突然口が開かなくなったりしたら、びっくりしてしまいますよね。

わたしは過去に『あご』を開くたびにカクカクと音がしていたことがありましたが、運よく重症化はしませんでした。

しかし、『チョイス』というテレビ番組では、顎関節症を経験した20代の方も紹介されていたので、それほど年齢は関係なく発症する病気だと思います。

そこで今回は、『チョイス』の情報をもとに『顎関節症の原因』や『セルフチェック方法』、『治療方法』などを解説していきます。


この記事を読むことで、以下のことがわかります。

  • 顎関節症とはどんなものなのか
  • 顎関節症の疑いがある場合はどこを受診すればいいのか
  • 顎関節症のセルフチェック方法
  • 顎関節症のセルフケア

など


顎関節症の原因とは?セルフチェックや治療方法なども解説。

顎関節症は、あごの関節+筋肉の病気

顎関節は、あごの『下の骨』の頂上(あたま)と、受け皿となる上骨との間にあります。

また、硬いものを噛むときなどに使う『咬筋(こうきん)』という筋肉に異常が起こると痛みが発生します。

女性の場合は、この咬筋から痛みが出ていたわけです。

コメカミのところから顎にかけて伸びている側頭筋という筋肉もあります。

『そしゃく筋(食べる筋肉)』は咬筋+側頭筋のことを指します。

まず、この『そしゃく筋』の障害について見ていきましょう。

スポンサーリンク

そしゃく筋痛障害とは

そしゃく筋痛障害には、以下3つのタイプがあります。

  1. 【そしゃく筋のコリによる「あごの筋肉痛」】
    『あごを動かしたときに痛みが出る』『口があけにくくなる』などが起こるものです。
  2. 【顎関節の炎症による「額関節痛障害」】
    顎関節が捻挫を起こしたりすることで発症します。
    関節の炎症による強い痛みを抑えるため、基本的には薬で治療します。
  3. 【関節円板の障害による「顎関節円板障害」】
    顎関節にはクッションの働きをする『軟骨のかたまり(関節円板)』があります。
    関節円板に障害が起きることで発症します。
    カクカクと音がするのは、この円板が正常の位置からズレてしまっているんですね。
    重症化すると、ズレたまま戻らなくなり、口が開かなくなります。
    口が開かなくなった場合でも、早期ならマウスピースを使って関節円板の位置を戻すことができます。
    仮に慢性化してしまった場合でも、口を開ける練習をすることで回復が見込めるそうです。

慢性化してしまったからといって、柔らかいものばかり食べずに、ふつうのかたさのものも噛まないといけません。

ちなみに、仮にそこらへんを歩いている人に聴診器をあてたとすると6割~7割の人からカクカク音がするようです。

かなり多くの人が自然と関節円板の位置がずれたり、戻ったりしているということですね。

これには私も驚きました。

顎関節症の疑いがあるときは、口腔外科を受診する

『歯』と『あご』に関することは『歯科』の領域なので、『口腔外科』を受診しましょう。

なお、受診した際の検査は、基本的には以下の流れでおこなわれるようです。

  1. 医療面接で困っている内容を医師に伝える
  2. 触診して痛みがある場所を探す
  3. 開口量の測定(痛みがなく4㎝以上開けば正常)
  4. 必要な場合はあごのMRIなどの画像検査
スポンサーリンク

顎関節症かどうかをセルフチェックする方法

痛みなく口が4cm以上開く(指3本が縦に第2関節まで入る)と正常です。

以下に当てはまる場合は、歯科を受診した方がよいようです。

  • 指が3本入らない
  • 指は3本入るが痛みがある

顎関節症の初期治療

初期治療では、基本的には歯を削ったりすることはせず、以下の2つをおこなうそうです。

  • 原因となる癖をなおす
  • マッサージ・ストレッチをする
スポンサーリンク

顎関節症のセルフケア

日本大学松戸歯学部 歯科医師 神山裕名さんが紹介されていた方法が、以下のとおりです。

  1. 【咬筋のマッサージ】(朝晩5分から10分おこなう)
    エラのすぐわきに指をあて、すこし痛みがでるような強さでグリグリする
  2. 【側頭筋のマッサージ】(朝晩5分から10分おこなう)
    コメカミの歯を噛みしめると動く部分に指をあて、円を描くようにマッサージする
  3. 【口を開けるストレッチ】(朝晩5回から10回おこなう)
    口を大きく開けます。
    上を向くと口が開きやすくなります。
    このとき、口の両端を人差し指と親指で挟むと、より効果的です。

日本大学松戸歯学部 教授の小見山 道さんは、「これらのセルフケアは、筋肉があたたまる入浴中などにおこなうと効果的」だといいます。

すでに痛みが出ている場合でも、無理をしない範囲では動かしてもよく、むしろ基本的には動かした方が治りがはやいということです。

VTRに登場した2名のケースをご紹介

VTRに登場した20代女性のケース

VTRに登場した20代女性の場合は、『あごの筋肉』に原因がありました。

この女性はPC作業などをするときに集中してくると上下の歯を合わせて噛みしめることが頻繁にあり、頬杖をつく癖もあったようです。(頬杖をつくと、自動的に上下の歯が合わさりますよね)

こういった上下の歯を合わせる癖を『TCH(Tooth Contacting Habit)』といいます。

この女性は、以下の治療をおこない、症状がよくなっていきました。

  • 噛みしめない
  • ほおづえをつかない
  • マッサージとストレッチを3ヵ月続けた
  • テレビを見ているときなどもマッサージをしていた

VTRに登場した60代女性のケース

軽い顎関節症の場合は、日常から『歯を離す』ことを意識するだけでも顎関節症の改善につながります。

VTRに登場した60代の女性は、医師から「ふだん目にするところに『歯を離す』」と書いた『ふせん』を複数貼り、その『ふせん』を見たときに『口を開けてポカーン』とするだけという治療を受けたそうです。

実際に、効果はあったようです。

しかし、趣味の編み物に集中すると、どうしても歯を噛みしめてしまうため、結局あごが痛くなってきて野菜が食べられない状態になってしまったようです。

レタスなど繊維があるものは噛み切れず、食べることのできる野菜は蒸したカボチャとブロッコリーだけという状態に。

食事を楽しむことができないなんて、考えるだけでも恐ろしいですね。

ようするに、歯を噛みしめるような習慣がなければ『軽い顎関節症』なら『口をポカーン』とするだけの治療で十分ですが、歯を噛みしめて集中するような習慣がある場合は、それだけでは治療は困難ということでしょう。

この女性は、最終的に常に痛くて夜眠ることすら困難になり、大学病院を受診しました。

MRI検査の結果、左あごの関節に炎症が起きていました。

炎症までいくと、マッサージやストレッチだけでは対処することが難しいようです。

まずは炎症の痛みを『消炎鎮痛薬』を服用して抑えます。

『消炎鎮痛薬』を服用することで、痛みが軽減され、スムースに関節を動かすことができるようになります。

その結果、運動療法となり、回復がはやくなるんです。

つぎに、就寝前に『抗不安薬』を服用することで、脳の興奮を抑えて痛みを和らげ、よく眠ることができるようになりました。

女性の場合、眠ることができるようになったあたりから、痛みがひいていったといいます。

今では、かたいフランスパンまで食べることができるようになり、『まったく大丈夫』なところまで回復したということです。

ちなみに、抗不安薬は『依存性が高い』ため、期間を定め、なるべく少ない量を使用しなければいけません。

注意したい生活習慣

幼少期は、成長発育のために『かたい食べ物』をよく噛んで食べてあごの筋力をつけておく必要があります。

しかし、大人になってからは固いものの食べすぎは顎関節症の原因になるため、注意しましょう。

あくまで『かたいものを噛む』ことをし続けすぎることがよくないと先生は述べていました。

主に注意したい生活習慣は以下のとおりです。

  • ほおづえをつく
  • かみしめ(TCH)
  • かたい食べ物を好む
  • ガムをかむ
  • 寝転んで食べる

『寝転んで食べる』は、寝転ぶだけではなく、変な姿勢をとって食べると突然あごが『バキッ』となったりすることがあるようです。

食べている最中に名前を呼ばれて振り向いたりするときも危ないようです。

また、先生がよく患者さんにアドバイスしていることには『テレビを見ながら食べてもいいですが、テレビを正面にして食べましょう』というものがあります。

これも、『変な姿勢をとって食べる』に含まれるからです。

口を閉じた状態で力を抜いたときに歯のどこかが当たっていればTCHということです。

わたしもやってみましたが、口を閉じてポカーンとリラックスした状態では、上下の歯が当たらず、TCHの症状は見受けられませんでした。

なお、通常は口を閉じていても力を抜いている状態だと、上下の歯の間に2~3ミリの隙間できるということです。

緊張している場合などには、通常の状態が保てずにTCHになりやすくなるので、注意しましょう。

あごに負担がかかる行動

あごに負担がかかる行動は、以下のようなものになります。

  • 【重い物を運ぶ】
    重いモノを運ぶ際は、歯をくいしばったりするので、負担がかかります。
  • 【スマートフォンを使う】
    スマホを使う際は、下を向いて集中することで食いしばりにつながります。
    とくに力が入りやすいので、『長時間にわたってゲームをする』などには注意が必要です。
  • 【バイオリンを弾く】
    バイオリンを弾くときは、日常の動作からすると不自然な位置で歯を食いしばります。
    このため、あごに負担がかかります。
  • 【スキューバダイビングをする】
    スキューバダイビングは、常に口にくわえている必要があるため、負担がかかります。
  • 【よく笑う】
    口を横に引いてあごを後ろに引っ張る笑顔はあごに負担がかかります。
    笑うことは最高だと思いますが、笑いすぎには注意したほうがよさそうですね。

顎関節症になりやすい人

顎関節症になりやすい人は、あごに負担がかかる行動に注意して、上記でご紹介したようなマッサージ・ストレッチをするようにしましょう。

また、寝ている間に無意識にしている『歯ぎしり』でも顎関節症になることがあるようです。

この場合は、オーラルアプライアンス療法(マウスピース)で治していきます。

音が鳴らなずに周囲も気が付かないクレンチング(食いしばり)も原因となることがあるので、朝起きたときに『あごが痛い』『口が開かない』などの症状があれば、寝ている間に歯ぎしり・食いしばりをしている可能性があります。

『寝ている間の歯ぎしり』は筋肉が覚えてしまった『癖』だと考えられるため、まずは昼間の食いしばりを止めると良くなることもあるようです。

ただ、基本的には夜マウスピースをすることで対応し、2週間程度で効果があるようです。

このマウスピースはおよそ5,000円程度でつくることができます。

すり減ってくるので、1~2週間ごとに調整が必要になります。

顎関節脱臼について

ご高齢者に多いという顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)の特徴は、以下のとおりです。

  • 口が閉じない
  • 痛みがある

通常は関節円板から後ろにズレてカクカクと音がするようになるのですが、脱臼の場合、関節円板の前にズレてしまうことで発症します。

顎関節脱臼は、関節円板がゆるくなってしまっている『ご高齢者が発症しやすい』です。

脱臼の場合は口腔外科などで脱臼の修復をする必要があります。

あとがき

顎関節症は、初期治療をしっかりおこなうことで改善できるので、あまり心配せずに治療をおこないましょう。

ただし、症状が3ヵ月以上続く場合は、重篤な疾患の可能性もあるため、専門医に相談することが重要となってきます。

専門医に相談する場合は、『日本顎関節学会のホームページ』で専門医を検索しましょう。

以上、「顎関節症の原因とは?セルフチェックや治療方法なども解説。」でした。


関連記事


ABOUTこの記事をかいた人

ニックネーム:yatsuo(やつお) 雑記ブロガー。趣味はドライブと読書、インターネットです。 空いた時間は「おいしいたべもの」「良い雑貨品」「おしゃれなファッション」を求めて日々、リサーチしてます。最新家電にも目がありません。